キヨミ セツコ   Setsuko Kiyomi
  清海 節子
   所属   経済経営学部 所属
   職位   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2014/10
形態種別 学術雑誌
査読 査読あり
標題 個人名となぞなぞに探る 日本語に於ける 「1」 の属性と用法
執筆形態 単著
掲載誌名 比較文化研究
出版社・発行元 日本比較文化学会
巻・号・頁 113,25-34頁
概要 本論では、日本語の個人名や、伝統的な二段なぞで、使用される数(数詞)の中で、なぜ「1」が好まれるのか考察した。まず、個人名で使用頻度が高い理由は、漢字「一」が人名として豊富な読み方があるだけでなく、「一番すぐれている」という肯定的な意味を含むからだと推測した。次に、伝統的な二段なぞは、子供にとって「1」に付随する助数詞の習得に役立つことを確認した。また、名詞を修飾する形容詞的要素がない場合に「1」が用いられることが分かった。その場合に「1」は、単数であることを表すだけでなく、「最もすぐれている」という意味に関連する、「貴重な」「大切な」という肯定的な意味が含意されている可能性を指摘した。このように、「1」が量だけでなく、質も表すと仮定すれば、「1」が他の数より使用されることは不思議ではない。さらに、語用論の立場から「お一つ、どうぞ」と発話する時、提供するモノの品質がある程度保証され、「良質」であることが含意されていると提案した。