フクシマ タイガ
Fukushima Taiga
福島 大我 所属 法学部 所属 職位 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2016/02 |
形態種別 | 著書 |
標題 | 秦漢時代における皇帝と社会 |
執筆形態 | 単著 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 専修大学出版局 |
概要 | 本書では、中国古代の皇帝制度の形成という問題について、主に地理的・空間的な支配・把握の様相と、その変遷も含めて、皇帝と一般民との接点となる政策から、皇帝支配の正当性についての問題とその質的な転換を探り、以下のような結論を導き出した。
天下を統一した秦の始皇帝の時代は、その強力な人格に頼った支配であった。そのため、全国一律に実施された郡県制的支配が、彼の死後に崩壊した。その後、漢を興した劉邦は、郡国制のもとで「首都圏」を設定し、そこを根拠地とした。全国的な規模において一般民からの正当性を獲得できる段階になかったのである。 武帝期に完成した全国一円的な郡県制的支配は、始皇帝と同様に、武帝という強力な人格があってはじめて実現した。しかし、武帝の死後、富の再分配システムは皇帝の個人的な人格から脱却して制度としての継続がはかられる。その制度化こそが、その後の歴代中国王朝における皇帝支配の正当性への根拠となるに至ったのである。 |