イワハシ マチコ
Machiko Iwahashi
岩橋 真知子 所属 スポーツ科学部 所属 職位 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2022/04 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 文明人のカニバリズム -リチャード・フラナガンの<歴史>小説Wantingを読み解く |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 南半球評論 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 37,5-23頁 |
総ページ数 | 18 |
概要 | R・フラナガンの長編Wanting (2008)は、植民地時代のタスマニアに実在したアボリジナル女性マシナ(1835頃 -1852頃)とヴィクトリア朝時代の著名人たちをめぐる史実に虚構を交えて描かれた歴史小説である。フラナガンはWantingについて、マシナの養父であったジョン・フランクリンの北海探検における人肉食の噂という史実をモチーフに、人間の欲望を描いたと説明する。P・ヒュームは、「帝国主義とは、それ自体がカニバリズムの一形態」であり、人肉食の物語は「大英帝国による植民地への暴虐の隠喩として読める」と論じる。この点を踏まえ、本論考では、Wantingの中に帝国主義としてのカニバリズムが読み取れるのではないかという仮説に立ち、大英帝国の有力者と無告のアボリジナル女性の関係性の中に見られるカニバリズムの検証を試みる。 |