キヨミ セツコ
Setsuko Kiyomi
清海 節子 所属 経済経営学部 所属 職位 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2001 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 被害受身文が表す「受益」の意味 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 駿河台大学論叢 |
巻・号・頁 | 22,95-118頁 |
概要 | 本稿は、被害受身文の本質的な意味を探りつつ、どのような条件の下で「受益」の意味を表すかを明らかにした。そもそも被害受身文とは、間接受身または迷惑の受身文とも呼ばれ、形態的に受身であり、それが被害や迷惑を蒙るという意味を表すということで、このように呼ばれることになった。まず、これまでの議論を再検討し、問題点や見逃されている事実に言及し、結論として被害受身文それ自体が「受益」を表さないと考え、この構文が表す「被害」の意味として、中間段階に「驚き」を含む三層構造を提案した。つまり、被害受身文が「受益」の意味を表す理由は、構文自体になく、構文に共起する他の意味的要因が「受益」の意味を生み出すと捉えた。中間段階に「驚き」を含む三層構造を仮定することで、通常の場合は、「被害」を意味するが、「受益」の意味に貢献する記述が含まれている場合には、構文の意味が弱まり、中間段階の「驚き」を表すと考えた。 |