イチカワ ノリコ
Noriko Ichikawa
市川 紀子 所属 経済経営学部 所属 職位 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2011/04 |
形態種別 | 学術雑誌 |
標題 | 財務会計の現代的特質―中心観を基軸とした計算体系の再検討― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 産業経理 |
出版社・発行元 | 財団法人産業経理協会 |
巻・号・頁 | 71(1),89-99頁 |
概要 | 本稿は、拙著(市川紀子『財務会計の現代的基盤』森山書店、2010年)第7章において取り上げた中心観を基軸とした計算体系の再検討を井上良二教授の学説を手がかりに考察したものである。井上良二教授の理論は、時価会計、時価主義会計との区別について財務報告と結びついての計算構造を示すことにより、区分されている。ただし、仮にその中に中心観を挿入することで、財務報告目的の変化がなくとも、時価主義会計、時価会計の区別がつくとはいえないだろうか。もしもそうであれば、井上良二教授の理論を前提とすることが条件であるが、財務会計の説明理論としての説明能力は高まると考える。井上良二教授における中心的な目的と計算構造の四類型は、社会的機能―会計目的(情報利用者の情報要求)―計算構造という関係を示し、計算構造が何を認識・測定の対象とするかは会計目的によって規定されており、情報利用者がどのような情報要求をするかは、情報利用者が企業をどのようなに見るかに依存することになることを示されている。ここでいう計算構造の仕組みが、筆者のいう中心観の類型に相当すると考える 。 |