ムラカミ ダイスケ   Daisuke Murakami
  村上 大輔
   所属   経済経営学部 所属
   職位   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2024/02
形態種別 学術論文
標題 チベットの民間信仰の呪術性に関する試論 ー「魂」(bla)を呼び戻す儀礼とフロイトの夢理論 ー
執筆形態 単著
掲載誌名 『論叢』(駿河台大学紀要)
掲載区分国内
巻・号・頁 66,51-76頁
概要 本稿は、拙論である民族誌資料「「魂」(bla) を呼び戻すチベットの儀軌「ラグツェグ」(bla’gugs tshe’gugs) — ニンマ派伝承の祈祷書の訳註と儀軌の記述 —」(『国立民族学博物館研究報告』2019 年 43 巻 3 号 485-548 頁)の続編である。拙論で示したデータをもとに、チベットの民間信仰における呪術性について理論的に考察していくことを目指す。前半部では、チベット・ヒマラヤ文化圏の諸宗教について概観し、ラグツェグの儀礼がどのような宗教的・イデオロギー的位相にあるのか、チベット学の知見や拙論に依拠しながら分析していく。後半では、浜本満の主著『秩序の方法』(2001) において抽出された概念 — 儀礼の「原理的無根拠性」-- を紐解き、フレイザーやウィトゲンシュタインの儀礼論を経由しつつ、フロイトの精神分析学における夢の仮説が、どのようにラグツェグの儀礼の呪術性を捉えるアナロジーとして、ひいては、呪術一般を理解するための枠組みとして機能しうるかを検討する。