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イワハシ マチコ
Machiko Iwahashi
岩橋 真知子 所属 スポーツ科学部 所属 職位 准教授 |
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| 言語種別 | 日本語 |
| 発行・発表の年月 | 2016/07 |
| 形態種別 | 学術雑誌 |
| 査読 | 査読あり |
| 招待論文 | 招待あり |
| 標題 | オバたちのヴァギナ・モノローグ |
| 執筆形態 | 単著 |
| 掲載誌名 | 熊野大学 牛王 |
| 掲載区分 | 国内 |
| 巻・号・頁 | (10),115-128頁 |
| 概要 | 比較文学の手法を用いて、アメリカの劇作家イヴ・エンスラーの「ヴァギナ・モノローグ」(1996)を参照しつつ、中上健次の秋幸三部作に描かれる無告のオバたちの声の表象について論じた。老女であること、被差別者であること、女郎の過去を持ち、「良妻賢母」の規範から外れた女性であること、書き言葉をもたないこと、など被差別の老女たちは二重三重の社会的スティグマを抱えている。エンスラーの「ヴァギナ・モノローグ」(1996)が、性的に抑圧を受けてきた女性たちが性暴力に対してあげる反対の声が、英語と言う言語を通して世界中に影響力を与えていく様子を描いているのに対して、中上の作品は、書き言葉を持たない日本の南部の老女たちが、自分の身体が受けてきた痛みを語ろうとしても、それが不条理な荒唐無稽な語りであるがゆえに、主流に「反抗と認識され得ない声」(スピヴァク)として消え去ってしまうさまを描いているとして分析した。 |