シマハラ トモヒロ
  島原 知大
   所属   グローバル教育センター 所属
   職種   講師
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2006/03
形態種別 大学・研究所等紀要
査読 査読有り
標題 『ドリアン・グレイの肖像』におけるアイルランド人オスカー・ワイルドの自己投影
執筆形態 単著
掲載誌名 ほらいずん
出版社・発行元 早稲田大学英米文学研究会
巻・号・頁 38,1‐16頁
概要 『ドリアン・グレイの肖像』の登場人物に対する作者ワイルドの自己投影は、特に主人公ドリアンにおいて顕著に窺われる。ドリアンの「魂と肉体の調和」の崩壊が極めて暗示的に、ワイルドの「アイルランド性」を露呈していると考えられるのである。自分の生き写しである肖像画と自分を、衝立を立てることによって遮断するというドリアンの行為は、自己認識の二重化を示唆している。自己認識の二重化の度合いは、肖像画が屋根裏部屋に隔離されることで表されている。この肖像画を屋根裏に隠す行動は、幼少時にアイルランド西部で受けたカトリックの影響を隠す一方、表面ではプロテスタントを演じる必要に迫られた寄宿学校時代のワイルドの「自己の分裂」の再現と捉えることができる。肖像画を隔離し美貌という仮面を被って生きたドリアンが最後には仮面を脱ぎ捨てて死に絶えたように、ワイルドも、二重化した自己認識を、死の直前にカトリックに改宗することによって再び一つとしたのである。