シマハラ トモヒロ
  島原 知大
   所属   グローバル教育センター 所属
   職種   講師
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2006/09
形態種別 大学・研究所等紀要
査読 査読有り
標題 オスカー・ワイルド「漁師と魂」論―「柘榴」の象徴的機能―
執筆形態 単著
掲載誌名 英文学
出版社・発行元 早稲田大学英文学会
巻・号・頁 92,1‐11頁
概要 ワイルドは二冊目の童話集を『柘榴の家』と名付けたものの、その中に「柘榴の家」という題名の作品は存在しない。しかしながら、そこに所収された「漁師と魂」において、「柘榴」が暗示するキリスト教と異教の混交と相克が、主人公である漁師と人魚の、あるいは漁師とその「魂」の、「結合」と「分離」を通して、象徴的に描かれている。それは、カトリックが多数を占めるアイルランドにおいてイギリス系(プロテスタント)アイルランド人として生まれ育ったワイルドの宗教的葛藤を反映していると推察される。「漁師と魂」の文体にはアイルランド口承文学の影響が見受けられ、内容的にもワイルドの両親が蒐集し編纂したアイルランド民話の一篇「神父の魂」と酷似している。また、中世にアイルランドに数多く建立された修道院の石壁には、「誘惑」の象徴として人魚の姿が彫り込まれている。「漁師と魂」の最終場面で異教の神に祈りを捧げるというカトリックの神父の行為は、「柘榴」の持つ宗教的融合・和解のイメージと重なり合うのである。