シマハラ トモヒロ
  島原 知大
   所属   グローバル教育センター 所属
   職種   講師
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2010/01
形態種別 大学・研究所等紀要
標題 オスカー・ワイルド『サロメ』論―ナルシシストとしてのサロメ―
執筆形態 単著
掲載誌名 駿河台大学教養文化研究所紀要
出版社・発行元 駿河台大学教養文化研究所
巻・号・頁 39,1‐22頁
概要 新約聖書や数多くの絵画に登場するサロメであるが、ワイルドが創作したサロメはナルシシストである。サロメは自己の美貌と処女性を、「鏡」の役割を果たす「月」に投影し、その「月」を眺めることによってナルシシズムを満足させる。更にサロメは「月」に映った自己を預言者ヨカナーンに反射させ、ヨカナーンを欲することでナルシシズムを完成させようとする。しかしながら、ヨカナーンがサロメの眼差しを拒絶したため、サロメは怒り、義父であるヘロデ王に7枚のヴェールの踊りを捧げる見返りとして、ヨカナーンの首を所望する。ヨカナーンの首を手に入れたサロメは、その生首に口付けすることでヨカナーンと一体化する。この時サロメはナルシシズムを完成したかのように見えるが、ヨカナーンの殺害は、いわば、「鏡」の破壊を意味しており、その結果、そこに映し出された自己の像をも破壊している。サロメの異常な自己愛(ナルシシズム)は、最終的に自己を破壊することでしか満たされない、自己存在に対する矛盾を孕んだ自己愛なのである。